2009/04/02

Colour Box/Len Lye

【Weekry Column:Tajif】

オスカー・フィッシンガーと並んで抽象アニメーションの先駆けを担ったLen Lyeが1935年に手掛けたフィルム・ペインティングによる作品"Colour Box"。



1901年ニュージーランドに生まれたLenは1926年ロンドンに渡り前衛芸術家たちと交流しシュールレアリズム絵画を手掛けていたが、1930年代に入り英国郵政省(G.P.O.)映画部の仕事に携わりパペット・アニメーションによる"テュサラヴァ"(28年)や"ロボットの誕生"(36年)といった広告映画を作り出す。
その中でフィルム・ペインティングによる手法を発見し、その技法を初めて用いて作成したのが今回ご紹介する"Colour Box"。

前回紹介したNorman Maclarenやその他多くの実験映像作家達に多大な影響を与えたLen Lyeは広告映画を手掛けていた事もあってか実験映像といってもポップな作風のものが多く、豊かで綺麗な色使いで観ていて飽きがこない。編集のリズムも軽快で、今でもCMなんかで使えそうなほど。
VJ的には作品の持つ力が強いので、2枚3枚と重ねるような使い方ではなく単品でしっかりと流すかCut Inで他の映像に切り替えてリズムを産み出す事が多いかも。



フィルム・ペインティングといえばオスカー・フィッシンガーばかりが取りざたされる事が多いけれど、もっとLen Lyeは見直されていい作家だと思う。
もちろん他にも様々な手法で作り出された傑作も多いので、機会があれば是非ご鑑賞あれ。

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